2023年度 あすなろカップ
こんにちは!
2年TRの山口 源です。
今回は関東学生ラクロスフレッシュマントーナメント(※以下あすなろカップ)の試合結果をご報告させていただきます。
普段別々のチームで活動している新2年生が一堂に介した今大会は、代として戦う最後の大会でもありました。
1日目 予選リーグ
1回戦
対一橋大学
6-3で慶應の勝利
2回戦
対大東文化大学・城西大学合同チーム
2-2で引き分け
結果、決勝リーグ進出となります。
2日目 決勝リーグ
準決勝戦
対法政大学・獨協大学合同チーム
2-1で慶應の勝利
決勝戦
1-0で慶應の勝利
上記の通り、見事あすなろカップ優勝をおさめることができました。
1試合目、PRIDEシーズンをアーセナルチームキャプテンとしてチームを鼓舞し続けてきた池田(AT#90)がベンチを盛り上げます。相手は昨年サマーで敗れた因縁の相手、一橋。この試合に賭ける選手達の思いは並々ではなかったはずです。
しかしながら今試合は序盤から苦戦を強いられます。開始1分、自陣で混戦グラボが発生するとそれを相手に拾われ、そのままショット成功、スコアを0-1とされます。
このまま相手をリズムに乗せたくない慶應はスコア明けのFOで増成(FO#38)、関根(DF#57)、関(SSDM#28)の連携プレーでポゼッションを獲得すると、徐々に自分たちのペースを取り戻していきます。
さらに慶應のオフェンスは序盤から青木(MD#67)、中西(MD#13)の積極的なショットで相手のゴールを脅かしていきます。すると開始4分、池田(AT#90)が裏がけからのショットを相手ゴールに突き刺し、試合を振り出しに戻すことに成功します。
このまま一気に相手を突き放していきたい慶應ですが、ここから我慢の時間が続きます。FOで相手にポゼッションを奪われると、そこから約4分間にも及ぶDFが続きます。しかし、花岡(DF#76)、細田(SSDM#42)らの安定したディフェンスの前に、相手は決定機を作ることができません。そして開始9分、相手のショットを守護神松本(G#93)がセーブすると、影山(DF#81)、水口(DF#20)が難なくクリアを成功させ、遂に慶應が攻撃を再開します。
クォーター残り時間もわずかとなった試合開始9分、裏からボールをもらった青木(MD#67)が1on1で相手を抜き去り、そのままショットを放ちます。これを相手ゴーリーが弾きますが、青木の振り抜いたショットの球威を止めることができず、ボールはそのまま無人のゴールの中へと転がりました。このまま前半は終了、スコア2-1の慶應1点リードで後半を迎えることとなりました。
流れを完全に掌握したい試合後半、大学からFOに転向した増成(FO#38)が見せ場を作ります。クォーター初めのフェイスオフで勝利を収め、そのままブレイクを作り、勢いに乗ったまま増成から池田(AT#90)、山田(AT#0)へとパスを繋ぐと、山田がそのままクリース前に侵入、相手ゴールにショットを押し込みスコア3-1とします。
そしてこの1点をきっかけに慶應OFが爆発します。開始2分に相手にショットを決められ、スコア3-2とされますがその直後、右横から1on1をかけた池田(AT#90)が矢のようなショットを成功させ4-2。そして圧倒的なスピードで相手を抜き去りそのまま放った中西(MD#13)のショットがゴールの端を捉え5-2、さらにこの試合2点目となるジャンプシュートを青木(MD#67)が決め切り6-2とします。試合終了間近に相手にショットを決められてしまいますがここで試合終了、因縁の相手に6-3と大差をつけて勝利をおさめます。
勝てば決勝リーグへ行くことが決まる第2試合目。相手は大東文化・城西合同チーム。1試合目の勝利に湧き、浮つく心を静めつつ、一切の油断なしに運命の試合に挑みます。
それとなく緊張した空気が流れる中、増成(FO#38)の可憐なフェイスオフから生まれたグラボを、池田(AT#90)がさすがの技術で勝ち取り、試合は慶應ボールから始まります。
まずは1点を取り、流れをモノにしたい慶應は、池田(AT#90)、多田(MD#61)が次々とショットを放ちますが、相手ゴーリーが立ちはだかり、得点を許しません
試合が動いたのは開始早々、前半2分の事でした。関東ユースにも選出されている中西(MD#13)の華麗なダッジから、圧巻の視野を活かしたクリースパスが繰り出されます。その先にいたのは我らがムードメーカー、羽根田(AT#39)でした。パスを受けジャンプシュート放つと、一度は止められるも、勢いそのままにゴールへと吸い込まれます。彼の久々のゴールにベンチは大盛り上がり、最高のスタートを切ります。このまま流れを持っていきたい慶應。
またしてもフェイスオフに勝ち切り、ポッゼッションを奪うと、堀川(MD#46)がランシューを打つも、惜しくも得点には至らず。ライドに失敗し、今試合初のDFを迎えます。
まさに一瞬の出来事でした。相手にダッジを切られると、わずかな隙を突かれ、まさかの失点を許します。
嫌な流れを取り戻したい慶應は、多田(MD#61)が果敢にショットを放ちますが惜しくも枠を捕らえられず。チェイスに負けターンオーバーとなり、チャンスから一転、慶應はDFに回ります。
再び試合が動きます。どこか、「負けるわけがない」と油断があったのでしょうか、左上から相手に切り込まれると完璧なランシューを喰らい、失点。誰もが予想打にしなかった展開となります。最悪な流れは払拭できず、またもやピンチを迎えますが、1Q終了を告げる笛に救われ、スコア1対2。まさかの劣勢で1Qを終えます。
しかしこんなところで沈むような王者ではありません。全員で気合を入れ直し、意地でも決勝トーナメントに勝ち上がる気持ちを胸に、一丸となって2Qに挑みます。
フェイスオフからのグラボを関根(DF#57)が熟練のグラボ技術で奪取し、OFへと繋げます。
DF、ベンチ、全ての思いを背負ったOF陣が魅せます。まずは青木(MD#67)が手本の様なダッジで相手を抜き去ると、得意の左ランシューが炸裂します。渾身のショットは相手ゴーリーに阻まれますが、弾かれたボールは山田(AT#0)のクロスへ。そのまま左下から一閃。ゴール左上に叩き込むと、見事同点。全員の思いを背負ったOF陣が、見事期待に応え、試合を振り出しへと戻します。
自力で確実に決勝トーナメントに駒を進めるためには、「勝ち」が条件のこの試合。さらなるスコアを求め、全員が奮闘します。
一時相手に押し込まれるも、つま恋カップから更なる進化を遂げた関(SSMD#28)がボールダウン。OFへとボールを託すと、攻撃陣が火を吹きます。中西(MD#13)のキレキレのダッジからのランシュー、浅尾(AT#72)のグラボからの泥臭いショット。日々学生最高峰の先輩方から学び、会得してきた技術で圧倒するも、中々相手の牙城を崩せません。
しかし心配は無用、守っては松本(G#93)、影山(DF#81)が堅実にクリアを繋ぐと、相手はボールに触れることすら許されません。すると焦った相手のオフサイドを誘発。ここから怒涛のエキストラマンオフェンスが続き、試合は慶應のワンサイドゲームへ姿を変えます。
1人の人数有利という、何としてでも決勝点を奪いたい状況。完全に主導権を獲得した慶應は、途中相手のイリーガルプロシージャーによる2マンダウンという、圧倒的優位を生み出し、素早いパス回しから山田(AT#0)らが何本もスタンシューを打つも、合計4分間程度にも渡るビッグチャンスを活かし切れず、パスミスからポッゼッションを奪われると、そこで無情にも試合終了。無念にも納得のいく結果とはならず、第二試合を終えるとことなりました。そして、一橋が試合に勝利したことにより、辛くも決勝トーナメントに進出。何とも後味の悪い勝ち上がり方にはなりましたが、結果が全て。堂々のグループG1位通過で、準決勝へと駒を進めます。
予選リーグを一位で通過し、駒沢第一球技場に場所を移して行われた翌日の決勝リーグ、第1試合の準決勝戦は法政大学・獨協大学合同チームとの試合でした。
試合開始のFOに増成(FO#38)が幸先よく勝利しますが、両チームミスが重なり、序盤はポゼッションが目まぐるしく変わる展開となりました。
相手のパスミスから関根(DF#57)、水口(DF#20)がおちついてクリアを成功させると、多田(MD#61)、池田(AT#90)、中西(MD#13)らが果敢に相手を攻めていきますが、中々ボールをゴールに収めることができません。それでも攻め続け、試合開始5分、裏で池田からのパスをもらった山田(AT#0)がまくりシュートを決めて遂に試合を動かします。
ここからまた試合は硬直することとなります。スコア後も慶應OF陣が積極的にショットを打っていきますが、いずれも枠を捉えることができません。
しばらく両チーム攻防が続いた後、DFメンバーによるライドで相手に時間を使わせると、クォーター終了間近にはクリース前への危険なパスを松本(G#93)がパスカットしたところで前半終了となりました。
後半は相手ポゼッションからスタートしますが、相手のショットをまたもや松本(G#93)セーブし、すぐさま慶應がポゼッションを奪い返します。
そしてクォーター開始4分、青木(MD#67)が転びながらも相手を引き寄せて中西(MD#13)にパスを叩くと、空いたスペースに走り込んだ中西の放った地面に叩きつけるバウンドシュートがゴールの右上の端に突き刺さり、慶應は点差を2点に広げ、試合を決定づけます。その後、相手にポゼッションを奪われると、相手チームは猛攻を仕掛けてきます。しかしこれを増田(DF#66)、影山(DF#81)の連携でボールダウンをさせるなど落ち着いた守備で安定感を見せ、慶應のファウルで人数不利となった後も脅威のあるシュートを打たせず、試合終了まで無失点を貫くことに成功し、勝利を掴むことができました。
決勝戦、あすなろ最後の相手は日本体育大学・青山学院大学合同チームでした。日本体育大学は、つま恋カップ決勝で我々が敗北を喫したチームです。つま恋での雪辱を果たすため、代で戦う最後の大会を笑って終えるため、それぞれのメンバーが様々な思いを抱えながら迎える試合となりました。
試合は、今大会圧倒的な強さを見せつけた増成(FO#38)がここもFOに勝利し、慶應オフェンスから始まります。序盤から強気の攻めを見せる慶應は青木(MD#67)、池田(AT#90)、堀川(MD#46)がシュートを放っていきますがいずれも決め切ることができません。
この後、慶應のパスミスにより相手ボールとなりますが、ここで慶應のライドが相手チームを圧倒します。そして相手のパスミスを誘発し、慶應ボールで試合が再開されました。ここから目まぐるしくポゼッションが変わる展開となり、相手のクリアから試合が再開となりましたが、ここでも慶應のライドが相手に刺さります。相手のロングが出したパスは、待ち構えていた池田(AT#90)のクロスに収まり、慶應がブレイクの形を作り出しました。相手ロング1人に対して池田(AT#90)、山田(AT#0)の2on1という状況が出来上がります。そして相手陣地クリース前、池田が相手ロングを引き寄せてから山田にパスを叩くと、山田が相手ゴーリーとの1on1をしっかり決め切り、決勝戦の先制点をあげます。
得点後のFO中に前半終了のホイッスルが鳴らされました。前半終わりの時点での点差はわずかに1点、何としてもこの1点を死守しなければなりません。誰もがいままで経験したことのない緊張感を感じていたでしょう。試合は相手FOerから増田(DF#66)がボールを奪ったことで、慶應ボールで再開されました。ここも早い時間帯から多田(MD#61)、中西(MD#13) がシュートを打っていきます。
試合時間残り5分、このあたりから試合展開が早くなり、ボールダウンやグラボ、パスミスが増え、ポゼッションが目まぐるしく変わるようになってきます。
しかしこの中でも慶應DFは冷静さを保ち続けます。試合開始6分、水口(DF#20)、細田(SSDM#42)が2人でボールダウンさせるとその1分後、今度は自陣での混戦グラボを増田(DF#66)がすくい、そのままブレイクを作ります。
試合時間残り50秒、ここで慶應がオフサイドでファウルの判定うけ、30秒の人数不利となります。これが最後の正念場、影山(DF#81)、花岡(DF#76)、関根(DF#57)、水口(DF#20)、関(SSDM#28)、そして松本(G#93)の6人に勝敗は委ねられることとなりました。試合時間残り37秒、相手が左上からスタンシューを打ち込みますが、枠外に外れます。試合時間残り23秒、またも左上からのショット、関根(DF#57)が必死に体を当てますが間に合いません。
まずい、誰もがそう思ったでしょう。
次の瞬間、ベンチの悲鳴は歓喜へと変わります。
松本(G#93)ゴーリーセーブ。
松本が身を挺して弾いたボールはゴールの上を超えていきました。試合時間残り20秒、ここでマンダウン解除され、人数イーブンの状態になります。DF陣が最後の力を振り絞ります。
そして遂にその時が訪れます。試合終了のホイッスル、慶應義塾大学男子ラクロス部、あすなろカップ優勝です。
みんな優勝おめでとう。
同期と出会って丸1年、みんなのおかげで本当に濃い1年間を過ごすことができました。振り返れば本当にいろんなことがあった1年だったよね笑
決勝戦が終わってみんながふざけ散らかしている間、僕は試合に出てもいないのに1人で涙が止まりませんでした。もう同期だけの最後の試合だという事実が寂しかったのもあるし、嬉しかったとかほっとしたとか色んな気持ちが込み上げてきたんだけど、あの時のみんなは本当にかっこよかったし、そんなチームの一員でいれたことを嬉しいというか誇らしい気持ちが一番大きかった。
本当にみんなは僕にとって”PRIDE”です。みんなには感謝しかありません。2日間感動をありがとう。
僕は本当に仲が良い同期が大好きだし、みんなもそう思っていることを信じています。
さて、これから選手たちはそれぞれのチームに戻り、それぞれの目標のために頑張っていきます。みんなが一緒にプレーしているところをしばらく見ることができないのは残念で仕方ありません。それと同時に今度は自分たちが4年生になった時、新たな目的を持ってこの代がもう一度集結するのが今から楽しみです。この代で全日本選手権を制覇する日が僕は待ち遠しいです。
今年度チームスローガンは「STRIVE」。
それを自分たちの代から体現していくべく、2年選手、スタッフ一同、これからも日々努力して参ります。
この度は遠いところ、会場までお越しくださった皆様本当にありがとうございました。先輩方・保護者の皆様をはじめ、多くの方の声援が力になりました。今後も応援のほど、よろしくお願い申し上げます。