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特集

【対談企画2】

「慶應ラクロス」の魅力を皆様に知って頂くべく、毎年行われている部員へのインタビュー企画。

真の日本一まであと2勝。今回のインタビュー企画ではAチームで活躍する選手の、リーグ戦へ懸ける想いを聞いていきたいと思います。

「リーグ戦への想い GS編」と題しまして、お相手は4年MF#15 杉山達也、4年LMF#54 竹内豪(以下パン)、4年MF#42 田中聡貴(以下ジャッキー)、4年DF#47 細川優作の4人です。

インタビュアーは3年MG 中村文が務めさせていただきます。

————早速なのですが、なぜクリア・ライドリーダーを作られたのですか?

竹内:それ知らないや

杉山:俺知っているよ。去年大坪(17年卒 大坪厚介)さんや北川(17年卒 北川拓)さんでクリアライドについて決めていたんだけど、ポジションリーダーとクリアライドどっちもやって抉っていて、分けたほうがそれぞれの役割を全うできるから。なんでパンがライドリーダーで、ジャッキーがクリアリーダーかっていうのも俺は知っているのだけど、みんな知ってる?笑

一同:知らない。

————どなたが決めたのですか?

杉山:裕太(4年AT#3 井上裕太)。試合中にクリアしてると、相手が突然ライドを変えてきたりするんだよね。となると、柔軟に対応できる頭の良さが必要になるから、頭の悪いパンはライドリーダーになったっていう。笑

パン;なるほどね。

————立候補ではなく指名ということですか?

細川:まあそうだね。

竹内:気がついたらだよね。

ジャッキー:初めて知りました。

————聞いてみてどうですか?

田中:ある程度信用して(クリアリーダーに)選んでもらったということで絶対期待には応えていきたいと思うし、全体を見なければいけないポジションだと思う。各ポジションの人とも積極的に話してこれからも全員でクリアを作っていきたいと思っています。

杉山:やっていきましょう。

————DFとMFリーダーはどうやって決められたのですか?

竹内:MFリーダーは達也しかいなかった。

杉山:去年リーグ戦に出ていた俺らの代のMFが俺とジャッキーで、俺の方がたまたま多く試合に出ていたからだと思う。

細川:ヘッドコーチの橋本さんに、細川をGSのどこかには入れたいと仰って頂いて。それだったらモラリストの原が副将で、暴れん坊の俺がDFリーダーでいいんじゃないかって。

————各ポジションまとめる上で注意していることはありますか?

細川:俺自身威張れるような選手ではないから言葉遣いは気をつけている。例えば、新しい戦術をやる時に「やります」とか「やれ」ではなくて「やっていこう」というようにして、上下関係を感じさせないようには注意しています。伝えたい事は思っているより伝わらないから、自分の伝えたい事を明確に、なるべく簡潔にして、それを繰り返し言うことでみんなの意識に落とし込むようにしている。それの甲斐あってかはわからないけど後輩からいじられたりして、だるいこともあるけど、良い面でもあるかなと。笑

杉山:実際関わっているのってABチームのMF大体20人くらい。下部チームには俺が行けていないっていうのもあるのだけど、CDチームのコーチ任せなところがあって、そこは後悔している。俺もリーダーって器でもないし、下級生に#9 松平・#26 川崎・#27 川上とか俺より全然上手い奴らが沢山いるから、先輩面、リーダー面しないように言葉には気をつけているかな。上手く物事が進むような言葉のチョイスだったり自分の姿勢だったり。

————まとめるポジションとして過ごす中で感じた想いなどはありますか?

細川:最初に感じたのは人事を決める重み。あと150人いるこの部で、日々意思決定を迫られる責任に最初は戸惑った。後輩も当たり前のようにそれを求めてくるし、ちょっとでも迷ったりしたらチームとしての軸もぶれるから怖かったのもある。怖さとか責任感の重さみたいなものを感じて、より準備するようになったし、自分なりの軸を持つように意識していた。机の上で話し合って決まったことでも思い通りにいかないっていうのを改めて感じたかな。

田中:俺も最初はすごくプレッシャーがあったし、自分1人で考えることが多かった。だけど、練習していく中で人の話を聞く事が重要だと感じた。というのもみんなをまとめるポジションだから、「ゴーリーから見てどうか」や「ロングはどう動けばよかったか」、「MFとATはどう絡めばよかったか」など、そのポジションから聞かないと、良い練習にはなっていかない。あとは質問される人でありたいなと感じた。

パン:そんなにまとめるっていうほどの事はしてきてないけれど、ジャッキーも言っていたように、周りの人の力を借りて問題解決をしていくことが大事だと思った。チームの雰囲気とかもそれで変えることが出来ると思う。もともと俺は頑固な面があるけれど、後輩だったり同期だったりから意見をもらって生かそうとはしてきた。

杉山:MFは人数が多くて、人事が本当に難しかった。BチームとかCチームは一芸に秀でた人が多くて、その人達をどう起用していくかっていう事に悩んだ。人事をふり分けると「なぜBチームなのか」と聞かれることも多くて、その選手が俺よりも優れている事もあったから、自分の方が上手くないのに評価しなければならない事が苦しい時期もあった。リーグ戦に入ると、試合状況などに応じてMFの出方とかも考えなければならなくて。もしそれで流れが悪い方向に変わったら俺のせいでもあるから、そこは今でも難しい。でもだからこそ面白いかな。俺の投入した選手が活躍できると、この判断は間違ってなかったって思えて自信にもなる。あともう1つ、俺がスタメンでウィングに入るから、全部員に見られているのだなっていう責任感がある。見られているからこそ、1つ1つのプレーにより自覚を持ってプレーしようって思うようになった。

————何かあったときなど相談相手はいらっしゃいますか?

杉山:ジャッキーとはよく話していたよね。シーズン最初の頃とか。

田中:人事とかね。

杉山;誰をAチームにあげる?とかどういう方針でいく?とかね。ジャッキーが去年結構リーグ戦に出ていて権限があったから、2人で話して上手い事やっていたかな。

細川:DFは原と俺と竹内かな。

竹内:竹内って言い方仲悪そうだな。笑

————クリアリーダーとライドリーダーはスタッフから見て抽象的なポジションで、ヘッドコーチなどにクリアライドを失敗したら怒られているイメージが強いのですが…関東FINALの早稲田戦でも、クリアライドが上手くいかない時に「ジャッキー坊主にしろ!」と言われていましたよね。

細川:俺の印象ではクリアはジャッキーが事前に順序やシステムを組み立てて説明してくれて、それで上手く出来なかった時にこうじゃないか、ああじゃないかって自分で考える感じで。だからある程度軸が決まっている上で練習しているんだよね。逆にライドは俺らが出来なかった時にどうすればいいかパンに聞くと「ちょっと後で考えるわ…」って感じになるから、全員で考えているかな。全員の意見をパンがまとめて、改めて考えてきてくれる感じだよね。

杉山:パンを起点にね。

————パンさんとジャッキーさんでだいぶタイプが違う感じなのですね。

ジャッキー:似ているかもしれないけど。

杉山:仲良いよね。

ジャッキー:仲は良くない。クリアライド練をお互い何本やるかも知らないし。笑  

俺が頼りにしているのは齋藤航(4年MF#34)かな。クリアライド練で、俺達はBチームにクリアライドの相手をやってもらうんだよね。その時齋藤航にどういうクリアライドをして欲しいって話をすると、ちょっと遅れてはしまうけれど本番間近くらいにはすごく高い完成度でいつも持ってきてくれるので、齋藤航や剛志(17年卒 河村剛志)さんは本当に頼りにしています。

————今シーズンは最初からグラウンドが別々で他チームとの関わりが少なかったと思うのですが、4年生の中で連携はとったりしていたのですか?

田中:6月くらいまでは絶対にGSの誰かが他チームの練習にいるようにしていたよね。

細川:ほとんどパンが行っていた。笑

竹内:ほぼオフなかった。

細川:春期間は結構頑張っていたよね。リーグ戦始まってからは、行きたい気持ちは山々ではあるけどABチームを優先しがちなところがあって、申し訳なかったかな。

田中:あとはアーセナルがサマー前とかになると、今日は行こうみたいなモチベーションになった。オフの日ぐらいしか会えないから。

細川:あと俺がやっていたのは、コーチにモチベーションが微妙な選手や頑張っている選手を聞いて、その人のプレーを動画で見て、コメントしたりしていた。直接は関われないけれど、ネットの発達を利用して繋がってた。笑

————他のポジションもやっていたりしますか?

杉山:俺はDチームの試合のビデオを見て寛太(2年G#73 藤原寛太)にアドバイスしたよ。

————寛太、Cに上がりました!

杉山:お!そうなんだ、おめでとうございます。ファミリーの一員として嬉しいです。笑

ジャッキー:俺は仁尾とたまに勉強したりするんだけど、その時に自慢げに見せてくる中名生(1年AT#30 中名生三四郎)の「このシュートがいい」とか、関本(2年AT#77 関本隆宏)の「このシュートやべー」とかいうのを一緒に動画で見た。本当に良かったから次CDEチームの人に会うときは絶対そいつに声かけるようにしている。

杉山:一回北濱(4年AT#40)に動画見せられたわ。

一同:笑

細川:見ているっていう姿勢を下級生に示すのは大事だよねって幹部で話していて。1年生の時、当時の4年生の安藤(15年卒 安藤圭祐)さん達が俺達のことを見てくれていて、それが良かったねって。

————それに関連してお聞きしたいのですが、尊敬している先輩はいらっしゃいますか?

竹内:剛志さん。剛志さんに2年生の頃からトップチームあげてもらって、ベンチ入りも経験させてもらった。もちろんDFのこともいろいろ教えてもらった。あの人が俺に興味を持ってくれなかったらそういう事も経験できなかったから、感謝しています。今でもチームに関わってDFを見て下さって、意見を頂いたり、試合でもコーチとしてベンチに入って下さっているので、ものすごく尊敬できる先輩だなと思います。

杉山:井上優(16年卒)さん。優さんは2年前のアフターの時にシュート練に誘って下さって、教えて下さって嬉しかった。あとは山田(17年卒 山田晃平)さんと大坪さんかな。去年1年間、ミスが多いながらもAチームで自分の事を起用して下さって。山田さんのオフボールや、大坪さんのDFがめちゃめちゃ上手いっていう点も伝授してくれた。

竹内:つま恋の時の林(15年卒 林貴人)さんの熱血指導も印象に残っている。

杉山:元住吉とかでミーティングした時に、いきなり教壇みたいなところに立って「お前らは不運な代だ」って言われて。

————どういうことですか?

田中:自信持たせてくれたというか。

杉山:実際トップチームの4年生に言ってもらえると、いけるかもしれないって思えるよね

細川:安藤さんかな。不真面目な僕でもつま恋の時に指導してくれて、モチベーションの維持につながった。就活とか代表の練習でもお世話になった。

田中:俺はギャン(16卒 高木秀)さんかな。実は結構真面目な話をしてくれて。俺が確かCチームにいた時に、元住吉のカフェで大きな画用紙に「3月までにBチームで○枚目」とか「4月○日までにAチームの7枚目」「早慶戦にベンチ入りする」とか目標を書いて、家にそれを飾るっていうのをやっていた。それから意識もチームも上がった。

杉山:家行った時なかったけどな。笑  恥ずかしくて外していたの?

田中:外していた。笑  ちなみに今書いてあることは「11時までには寝る」、「ベッドで昼寝禁止」

一同:笑

田中:Cチームでくすぶっていた時に精神的に助けられたので感謝しています。自分は今後輩にそういうことが出来ていないので、出来る人は尊敬します。

————期待している後輩を教えてください!

細川:俺は斉藤(3年DF#29 斉藤弘之)かな。去年から素質はあったのだけど、運悪く怪我してしまって、今年も無理なんじゃないかって思っていたけど、めげずに頑張ってくれて。しっかり人の話を聞くし、素直だし、自分の考えも伝えてくれる。吸収力もあると思うのでこれからに期待です。

竹内:ライドの面で考えると3年生のMF3人かな。川上、川崎、松平の3人は、試合中もあいつらなりに考えてくれていることを感じるし、コミュニケーションをしっかり取ってくれる。期待しているというか頼もしいので、これからも頼りにしている。特に川崎は去年一昨年からずっと一緒にやってきて、1on1のディフェンスもオフボールも声を出すし、最近すごくいいなって思っている。

田中:俺が期待している後輩は中名生(1年AT 中名生三四郎)。我が強くて周りとコミュニケーションをあまり取れない選手だけど、自分のラクロスをどんどん確立している。自分がどうやったら点を決められるかっていうビジョンが、周りから見ていてもわかる。だから頑張って欲しいのだけど、生活面において不安な所があるから、そういう所は改めてもらって、慶應で1番点を取るプレイヤーになって欲しい。

————アーセナルではいますか?

竹内:アーセナルで期待している選手は橋本拓(1年MF#110)。今怪我をしてしまっているけれど、足が速くて、1on1もきれて、まだラクロスを知らないだけっていうのが、これからの伸び代しか感じないので、頑張って欲しい。

杉山:副田(1年生MF#106 副田海斗)かな。副田はいい奴で、すごい筋トレをしていて、ゴリゴリ。俺が練習を見に行った時に菊岡(3年MF#43 菊岡達)に似ているって言われていて、ポテンシャルを感じる選手だなと思った。あとアーセナルではないけれど、耀永(2年MF#10 宮川耀永)。意見とかはしっかり持っているのだけど、うまく発信できていないというイメージがある。いい武器を持っているし上手いから、周りと連携できるようになったら来年の主力になると思っている。

————試合に出ていない4年生に対しての想いなどはありますか?

細川:試合が終わった後に、嬉しそうに俺らの元に駆け寄ってきてくれるのを見ると俺らだけじゃないって実感するし、改めて感謝の気持ちがある。

杉山:先ほども出ていたけど、航さん。2年生の頃Cチームの練習時にシュートが決まった本数などを競い合ったり、練習を長く共にしていたから、まだ一緒にラクロスをしていたい。今はBチームで人事とかやってくれているけれど、Aチームで試合に出ることを諦めて欲しくない。

竹内:石山(4年G#31 石山博貴)かな。去年まで試合に出ていて、俺個人としてはもっとAチームに絡んでくると思っていたのだけど、ゴーリーの人事があまり変わらなかったこともあってBチームでプレーをしていた。モチベーションを保つのが難しかったと思うけれど、その中で後輩とゴーリーについてしっかり話しているのを見ていたし、頑張っていたのを知っているから、シーズン終わるまで諦めないでほしい。

————今年の試合で印象に残っている試合はありますか?

一同:開幕戦かな。

杉山:でも俺明治戦も辛かった。

細川:じゃあ1人1試合ずつ言っていこう。

竹内:成蹊戦かな。勝てばFINAL4、負ければ成蹊がFINAL4決まるっていうすごく大事な試合で、試合前緊張した。それまでの4年生の雰囲気が開幕戦を経てそんなに変わっていなくて、いい状態とは言えなかったけど、試合始まってみたら出だしから結構良くて、頑張ればできるのが証明されたので印象的でした。

細川:あの試合からスカウティングも見直したよね。徹底的にやるようになった。

田中:南山戦かな。1年以上ぶりの得点で素直に嬉しかった。後輩の江原(2年AT#1 江原健)に抱きつきに行ったのは恥ずかしかったけど。笑  今シーズン始まってからずっとリハビリで、復帰したのが確か8月3日の合宿初日。俺の今シーズンのラクロスはその日から始まって、武蔵戦で全然何もできなくてGSに泣きながら謝った記憶もある。それ以降も自分のプレーがなかなか出来なかったけど、南山戦では入りから自分で気持ちも作れていた。点を決めた時は何故か人の支えをとても感じたのだよね。「あのシーンで池垣(3年MF/FO#99 池垣陽介)がフェイスで勝っていたから」「あそこのグラボあいつが頑張ってくれたから」「中居(2年MF#8 中居諒介)とオフボールでコミュニケーションとれたから」、あの1点が生まれたのだなと思った。去年とか別に大して点を取っているわけではないけれど、去年点を取った時よりも人の支えとかありがたみをとても感じました。

細川:真也(1年AT#48 立石真也)にもそれを感じてほしい…。印象に残った試合は、俺は武蔵戦かな。もちろん開幕戦で負けたのも悔しい。開幕戦で2度とこんな負け方はしないようにしようって言った後に迎えた試合だけど、内容の良い試合ではなくて。個人的にも武蔵戦の失点にほぼ絡んでいて屈辱的だったし、不甲斐なかった。ジャッキーよりもGSに泣いて謝って。今まではGSリーダーや日本代表としてのプライドとかあったけど、開き直って、みんなの中の一員として戦おうと思えた試合だった。

杉山:俺は明治戦だな。2点取っていてMVPあるかなって思ったら真也だったっていう。笑

開幕戦で負けて、明治に負けたら引退っていう気持ちで臨んだ試合で、前半OFもDFもうまくいってなくて。裕太、細川、原っていうGSの半分以上がアウトして抜けていって、去年試合に出ていた4年で残ったのが俺だけだったから、俺がなんとかしないとって思った。DFとかも3、4分連続で出続けて、クリアになった時一人でボールを運んで、シュートが決まったから印象に残っている。慶スポにも取材されたしね。

————MVPはATが取っている印象が強いです。

杉山:DF、特にロングとか難しいよね。

田中:DFも点なんだよ。

細川:ロングはラクロスよくわかっている人が「いいな」と思ってくれたらそれでいいかな。

————では最後に残り2戦にかける思いを教えてください!

杉山:去年は7、8点取ったけれど、今年3点しか取っていないので、とりあえず点を取る。

パン:ユースとかで共にプレーした他大の友達を乗り越えてここまで来ているので、そいつらの思いも背負ってあと2戦勝ち切って日本一になりたいです。

田中:個人としては出場機会が少ない分、自分達も相手も見ているので、残り2戦も観察力は維持したまま、試合の流れの中でチームを良い方向に修正できるようにしていきたい。活躍したいっていう思いもあるので、信頼を得て、点を取りたいです。

細川:他の3人と少し違うのだけれど、DFでベンチ入りしているスタメン以外の選手の出場機会を作りたい。

————長い時間ありがとうございました!

4年生の想いが知れて有意義な時間になりました。

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