【日記リレー2024 VOL.26】 「問い」~片山碧菜(4年/文学部/MG/慶應義塾女子高等学校)~
彩織からバトンを受け取りました、今年度主務を務めております、MGの片山碧菜です。
みなさんご存知の通り、彩織はラクロス部の永遠のアイドルです。その可愛いお顔で見つめられたら最後、みんな彼女のことを好きになってしまいます。私もその中のひとりで、会う度に可愛くて抱きしめたくなっちゃいます。1年生の頃からずっと仲良くしてくれていて、2人でモーニングやアフタヌーンティーに行ったり、ヨガをしたり、穏やかな時間を過ごすことが多かったからか、彩織といるとすごく安心します。おすすめの〇〇神社、見つけたら教えてね。
はじめに、日頃より弊部の活動を応援して下さっている皆様に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。全日本選手権優勝に向けて、部員一同精進してまいりますので、今後ともご声援の程よろしくお願いいたします。
早いもので、同期の日記リレーが始まってからもう5ヶ月も経っています。先代の先輩方が残して下さっている素晴らしい文章の数々を振り返りながら、自分が書き残せるものは何だろうとずっと考えていましたが、書き直しを繰り返し、気づけば投稿日前日になってしまいました。みなさんへの問いをひとつ、自分への問いをひとつ書くことにします。
拙い文章ですが、読んでいただけると嬉しいです。
まずは、みなさんへの問いです。
日々訪れる選択を前に、あなたが思い浮かべることは何ですか?
人生は選択の連続です。過去の自分の選択で、今日という日が、自分という人間が成り立っています。ラクロス部に入るというような大きな選択は、人生で数えられる程度しかないかもしれませんが、小さな選択は日々の中に溢れています。防具をきれいに並べるのか適当に置いてしまうのか、ゴミを拾うか素通りするのか、ボールアップに行くかお喋りに集中して足を止めるのか、時間や期限を守るか守らないのか、汚い備品置き場を見てそのままにするのか掃除するのか。日吉陸上競技場での練習を考えただけでも、選択する場面は無数に挙げられます。
4年間というのは、人間を怠惰にするには充分な月日です。はじめのうちは、自分が秘める可能性に目を輝かせ、多くの人が正しくあろうとします。しかし時が経ち、理想と現実との乖離にもがき苦しむうちに、それを維持するのは難しくなっていきます。段々と手を抜くことを覚え始め、自分の中で最低限のラインを定め、過去の自分の情熱を忘れてしまいます。そして大体の場合、自分の怠惰さよりも他人の怠惰さの方が目につくものです。自分よりあの人の方がちゃんとやってないし、大丈夫。少しくらいルールを守らなくても大丈夫、自分だけじゃないし。誰しもこう思ったことがあるのではないでしょうか。もちろん私もあるので、こういった思考と選択を否定したい訳でも、お説教したい訳でもありません。
ただ、頭の片隅に置いてほしいことがあります。それは、みなさんが慶應ラクロスの一員だということです。この言葉は、2つの意味を含んでいます。
1つ目は、みなさんの言動は自分も知らないうちに慶應ラクロスという看板を背負っているということ。主務になってから度々感じていますが、ラクロス部はまだまだ歴史が浅く、発展途上の組織です。様々な目線を向けられています。部外の方からすると、ラクロス部との接点は多くて数人です。その数人から受ける印象やイメージが、慶應ラクロス全体のものとなります。自分1人が組織に与える影響は、あまり想像がつかないものかもしれませんが、日々訪れる選択を前に、少し立ち止まって考えてみてください。
2つ目は、みなさんが想像している以上に、この部活は多くの方の支えで成り立っているということ。自分たちの活動をサポートしてくれている方々、みなさんの頭の中にどれくらい浮かんでいるでしょうか。澤本総監督や井出監督、川島先生、三田ラクロス倶楽部やKLBをはじめとしたOBOGの方々、体育会事務室や体育会本部の方々、社会人コーチの皆様、外部グラウンド施設の方々、日吉陸上競技場を共用させて頂いている他部活の皆様、ラクロス協会や学連の方々、スポンサー企業の方々。きっと挙げきれていないと思います。もちろん学年や立場によって、この存在の感じ方には少なからず差があるでしょう。ただ、慶應ラクロスのためを想い、見えないところでご支援くださっている方々の存在を覚えていてください。そして140人の仲間のことも忘れてはいけません。自主練に必ず来たり、グラウンドに落ちているゴミを拾ってくれたり、ボールアップを真面目にやっていたり、移動中もずっとラクロスの話をしていたり、悔し涙を流しながら相談してくれたり、毎日深夜まで作業していたり、組織のために自分を犠牲にする決断をしたり。もっと成長したい、もっと組織に貢献したい、もっと慶應ラクロスを強く長く続く組織にしたい、そんな意欲を持った人間がたくさんいます。自分の周りの努力に目を向けてあげてください。知ろうとする姿勢がないと、人知れず頑張っている仲間がたくさんいることや、周囲のサポートに気づかないまま引退することになります。自分の選択が、慶應ラクロスを支えて下さっている方々に恥じないものかどうか。その選択が、頑張っている仲間たちに恥じないものかどうか。日々訪れる選択を前に、少し思い出してみてください。
次に、自分への問いです。
私は、自分を誤魔化さず、絶えず耕し続けることが出来ているでしょうか?
王者に返り咲く過程において、追い風が吹く時も、向かい風に煽られる時も、決して動じることなく、揺るぎない日本一への信念を持ち、部を支える存在になる。シーズンが始まった頃、幹部紹介の投稿に書いた言葉です。関東FINAL4敗退という結果で幕を閉じた昨シーズン。それでも変わらず掲げた「全日本選手権優勝」という目標。変わらなければ、前進しなければ、挑戦しなければ、その目標は成し遂げられないことを誰もが分かっていたはずです。では、私に出来ることは何か。考えてみましたが、絵美子の審判や愛梨紗の広報のような、自分を形容する強みが私にはありませんでした。自分が特別輝く何かを持ち合わせていないことを再確認し、自分が目に見える形でチームに貢献できていないことに苦しみました。ただ、3年間を適当に過ごしてきた訳ではありません。自分にしか出来ないことがなかったので、自分以外の人も出来ることを誰よりも一生懸命やってきました。でもそれは、言ってしまえば地味なことばかりで、脚光を浴びることはほとんどないです。それでも、自分を誤魔化さず、部に対して誠実でありたいと思いました。絶えず耕し続け、慶應ラクロスの基盤を守り、自分自身が揺るがない土台となり、みんなの輝く姿を見たいと思いました。私にとって慶應ラクロスは、それくらい大切なものだからです。空気の高まりを感じる試合前の円陣、グラウンドを駆け回る背中、ショットがゴールネットを揺らすあの瞬間、勝利の喜びを噛み締めながら歌う若き血。ラクロスを通じて感じた胸の高まり全てが、感情全てが、その理由です。
私がそうだったように、部員が140人もいると、自他ともに認める個性や強みを発揮することはおろか、4年間でそれを見つけることすら難しいかもしれません。それでも組織というものは残酷で、所属する以上は何かしらの貢献と存在意義を求められます。このプレッシャーに追い討ちをかけるのが、全ての努力や苦労にスポットライトを浴びせてあげることは出来ない組織の非情さだったりもします。どうしても輝くものばかり目に入ってしまうものですが、光が当たる場所には、必ず影が存在します。それは組織を見ても、ひとりの人間を見てもそうです。慶應ラクロスが日本一を目指す組織であり続ける裏に存在している多くの人の応援と支え、誰かの活躍の裏に潜む並々ならぬ努力。皆さんの中にも、まだ日の目を見ていない影があるのではないでしょうか。それが自分の思い描く形で表出するか、姿を変えて光を浴びることになるのか、どちらかは分かりませんが、自分の努力を認めてあげてください。努力と貢献に大小はありません。誰かにとっては無駄に見えることでも、その姿を見て頑張ろうと思い、その行動に感謝している人が必ずいます。
偉そうなことを書いてしまいましたが、私は自分の努力を認めることが苦手で、自分の頑張りが本当に日本一のためになっているか分からなくなる瞬間は、今でも少なくありません。そんな時、踏ん張ることが出来ているのは、才能と情熱に溢れる数多くの部員が側にいてくれたからです。本当に恵まれていると思います。スタッフでもあり、主務でもあったからか、チームのために努力する姿に出会う事が人より多かった気がします。その姿を見て、何度もパワーをもらい、自分を奮い立たせてきました。
そして、この4年間を通して、先輩方に育てて頂き、同期に支えられ、後輩たちにフォローしてもらいました。大抵の事は1人で出来ると思っていた過去の傲慢な自分を叱りたいです。人見知りで部活に慣れるまでに時間がかかり、声が小さくて何度も聞き直され、悔しいとすぐに涙が出てくる弱虫な自分でしたが、私は、慶應ラクロスを、みんなの背中を、どんな時でもそっと支えられていたでしょうか?
きっとこの問いには、日本一というこれ以上ない答えを返してくれるでしょう。
信じています。
最後に感謝の言葉を記そうと思っていましたが、1月18日までまだ日が残っているので、個人への感謝はそれまでお預けでもいいでしょうか。ありがとうを伝えたい人がたくさんいます。小さい頃から手紙が好きなので、感謝の言葉はペンを持って自分の手で書きたいです。楽しみにしていてください。
ここでは、両親への感謝を少しだけ。
突然ラクロス部のマネージャーをやると言い出した時も、私がやりたいと思ったことならと反対せず応援してくれてありがとう。大学4年間に限らず、生まれてから今まで、温かいサポートと溢れんばかりの愛情を注いでくれた2人には、本当に感謝しています。思いやりと優しさに満ちた両親のもとで育った事は私の誇りです。
そろそろバトンを渡そうと思います。
次は我らが副将小川健です。彼は1年生の頃からAチームで活躍しているだけではなく、4年間備品車を務め上げ、大体のことはニコニコ笑顔で許してくれます。こんなに出来た人間がいるものかと大高と毎日褒めていました。最近、「健さんは意外と傲慢な兄だ」と話していた後輩がいましたが、真偽はどうなんでしょうか。1年生の頃の私くらい口数が少ない健ですが、今年に入ってから覇気のある声をグラウンドで聞くことが増えて何だか嬉しいです。健の書く文章楽しみにしています!