【日記リレー2024 VOL.23】「爪痕」 ~馬渡愛梨紗(4年/文学部/MG/フェリス女学院高等学校)~
壮英からバトンを受け取りました、馬渡愛梨紗です。今シーズンはマネージャーでありながら、マーケティング部門長も務めさせていただきました。
壮英とは、実は数少ない横浜方面仲間だったり、塾バイトが同じだったり、他にも意外なところに接点が多い仲です。ぱっと見クールに見えますが、実はめちゃくちゃ熱血で、塾バイト時代にはカンニングをしている生徒に怒鳴っていて、その意外な姿に驚きました。今は野毛の居酒屋でバイトしているそうなのですが、新しい環境でも洗い物に心血を注いでいるそうです。
そして壮英といえば、本当に周りに愛されているなとつくづく思います。リーグ戦で壮英がボールを持つだけでスタンドが大騒ぎになり、点を決めれば大歓声。リーグ戦初戦、明治戦での壮英のゴールシーンは感動そのもので、いまだに見返してしまいます。いつもクールな壮英がスコアして大喜びしている最高の姿を、また見せてください!あと横浜飲みしよう!
と、ここで終わらせる予定でしたが、「世渡りありさ」と言われてしまったので…ぜひ壮英には集合中に勝手にシュートを打ち始めない協調性をプレゼントし、その代わり実力で見せる主張力を分け与えてほしいです。
はじめに、日頃より慶應義塾體育會ラクロス部男子を応援・ご支援してくださっている皆様に、この場を借りて心より御礼申し上げます。特に今年一年、マーケティング部門の活動を通じて、多くの方々から支えられていることを改めて実感しました。目標額を大きく上回るご支援をいただいたクラウドファンディングではもちろんのこと、精神的にも本当に多くの支えを受けてきました。
いつも一番近くで見守ってくださる保護者の皆様、新しい挑戦にも力強いエールを送ってくださるOBOGの皆様、そしてこのチームに共感し、さまざまな形で支えてくださる外部の方々。これほど多くの支えがあったからこそ、私たちはここまで歩みを進めることができました。だからこそ、今度は私たちが恩返しをする番です。皆様の想いを背負い、必ず「日本一」を掴み取るために残り二試合、全力で挑んで参ります。
さて、本題に入ります。
日記リレーに何を書くべきか、ずっと悩み続けていました。四年間、書きたいことをメモに残してきたはずなのに、いざ執筆を始めると、次々と思いが溢れ、言葉が思うように進みません。それに加えて、今年はインスタのフォロワーを二千人も増やしてしまったおかげで、まるで大舞台に立たされている気分です。人生で最初で最後かもしれないこの大舞台に、正直足がすくんでいます。でも、せっかくのこの場だからこそ、私にしか残せないことを綴りたいと思います。テーマは「爪痕」。これは私の人生のテーマであり、最大の原動力です。
「爪痕」
未来の慶應ラクロスでは、何が起きているのだろう。十年後、二十年後、もっと遠い未来。その光景は全く想像できないけれど、ひとつだけ確かなことがある。
それは、そこに自分はいないということ。
だからこそ、誰かの記憶の中に、そしてこの組織に、自分の「爪痕」を残したかった。
たった一%でもいいから、未来の慶應ラクロスがより強く、輝くための爪痕を。
私はもういなくても、私が残したその爪痕が、未来でも「強い慶應」を支える力になるように。
この思いがすべての行動の原動力でした。
特にこの一年、この思いが私の意識を支配していました。右も左も分からない状態で始まったマーケティング部門という新しい組織。そして、柄にもないリーダー職。初めての挑戦に胸を躍らせながらも、その不安定さに日々苦しめられていました。まるでいつ崩れてもおかしくない、綱渡りのような毎日。
正直なところ、本当に実績を残せるのか不安になり、全てを投げ出そうと本気で思ったこともありました。沢山の人に迷惑をかけて自分の道を貫いたのに、何も残せないかもしれない。そんな思いに締め付けられたことは何度もありました。それでも、這い上がり続けることができたのは、間違いなく根底に「爪痕を残したい」という強い欲求があったからだと思います。この思いはどんな時でも私の心の奥底で静かに、でも確かに燃え続けていました。
振り返れば、私自身も「爪痕」によって導かれた存在でした。死闘のような大学受験を経て慶應義塾大学に入学し、無限の選択肢が広がる中で、男子ラクロス部のスタッフを選んだ理由はあまりにも単純なものでした。それは、試合前のパンプアップビデオ。ルールも分からず、ラクロスという競技すらほとんど聞いたことがない状態でしたが、YouTubeで動画を見漁っているうちに、気づけばその魅力にどっぷりと引き込まれていました。そして、飛び込むように見学希望のDMを送っていたことを今でも覚えています。そして今日まで、その時の「爪痕」によって、この部活の一員として生かされてきました。
パンプアップビデオへの憧れを胸に、広報の世界に飛び込んだのは一年生の冬でした。真っ白なキャンバスを自分の色で染めていくような時間は、本当に楽しくて、夢中になって取り組んでいたことを覚えています。もちろん、正解がないことに悩む日もありましたが、それ以上に好奇心で溢れていて、どんなことにも挑戦してみたいという気持ちでいっぱいでした。そんな中で、ただ楽しいだけでは満足できなくなり、「もっと広報に専念したい」という強い想いが芽生え始めたのは三年生の時。新歓係として慶應ラクロスの運営に少しずつ関わる中で、この代々継がれてきた組織にはまだまだ変えられる可能性がたくさんあるのではないかと感じ始めたのです。
特に気になったのは部活の経済面。何かを我慢するのではなく、創造的に解決できないか。グッズの収益化、スポンサー探し、OBOGとのつながりの再構築。これらは広報で解決できるのではないか。そんな思いが形となり、「マーケティング部門」が誕生しました。
正解のない挑戦を、自分の力で正解に変える。その信念で、発足から毎日がむしゃらに駆け抜けました。思いつく限りの挑戦を繰り返し、少しでも早く組織に認めてもらおうと必死だったと思います。もちろん、自分だけでは到底成し遂げられなかったことばかりでした。念願だったHPをリニューアルした時も、OBOGの方を巻き込んだ初のイベントを開催した時も、毎日のSNS投稿も――挙げ始めたらきりがないほど多くの方々に支えられ、ここまでやってくることができました。時に必死に駆け抜ける姿勢を評価していただき、この一年で数々の新しいチャンスと巡り会えました。そして、気付けばどんな時も「爪痕を残したい」という思いが、自分の思考の先頭を走り続けていました。もちろん前述のように辛い時もありましたが、「今これをやれば、未来の慶應ラクロスに繋がるだろう」。そう信じることで、半ば強引に自分を奮い立たせていました。
そして、この一年の経験を通して強く感じたことがあります。それは、慶應ラクロスがまだまだ発展途上の組織であるということ。代々受け継がれてきたように見えて、その歴史は実は浅い。だからこそ、まだまだこの歴史に「爪痕」を残せるチャンスを部員全員が握っています。
発展途上というのは、つまり無限の可能性を秘めているという事です。「自分がこの組織を変えるんだ」という強い意志さえあれば、何だってできる。違和感を覚えた時、その感情を心に押し込めないでください。その違和感こそが新たな一歩へのきっかけになることもあります。先駆者の精神を持ち、「自分がこの歴史に爪痕を残すんだ」という覚悟で、挑戦し続けてほしい。まさにこれこそが「Pioneer」の精神です。
このまだ見ぬ価値を秘めている慶應ラクロスを、さらに強く成長させ続けていくのは、今現役部員として生きるみんなでしかないのです。
そして私もその一員として必死にもがいたこの一年。この組織の歴史に一つの「爪痕」を残せていたら本望です。未来の慶應ラクロスに幸あれ!!
あとは後輩に何かを残すとしたら、教訓めいたことは避けたいのですが…実は三つあります。多いと思いましたよね、本当にごめんなさい!
一つ目は、人の努力を認められる人間でいること。これができる人は本当に素晴らしいと思います。私自身も、他学生スポーツチームのインスタを見て、悔しいくらいカッコいい投稿に出会うと、つい素直に良さを認められない時があります。でも、見えるものから見えないものまで人の些細な努力にも気づき、心から認められる人が多くなれば、組織はより良い環境になっていくと思います。
二つ目は、とにかくやってみること。今年一年で何よりも実感したのは、「やってみなければ始まらない」ということです。心の底から「これをやりたい!」と思える瞬間に出会ったら、そのまま突き進んでください。周りから馬鹿にされても、不安になっても構わずに。その先には、きっと素晴らしい景色が待っています。
三つ目は、人を頼ること。ワンマンプレーが必要な場面もありますが、それだけではいつか限界がきます。もちろん、自分で考えずに頼りっぱなしは良くありません。でも、頑張っていれば周りは必ず見ていてくれます。そして、大事な時には助けてくれる。だからこそ、時には人に頼る勇気を持ってほしいです。
あとは美味しいご飯を食べて、よく寝て、仲間を大切にして四年間を楽しんでください!
あとはスタッフの後輩にちょっとだけ!
慶應ラクロスのスタッフは本当にレベルが高いと思います。大学の部活のスタッフがこんなに全てを学生で回しているのだと一年生の時に驚きました。だからこそ、時に自分のバリューとか存在価値に苦しむこともあると思います。個人的にバリューは正義ではないと考えています。もちろん何か特技がある人はすごいですが、小さな事にも向き合い全てを網羅する人もすごいです。私にはできないことだったので、本当に尊敬します。無理にバリュー探しに焦って自分を責めたりせずに、少しずつ自分の熱量が発揮できるものを見つければいいと思います。とにかく全力で少ない四年間を駆け抜けてね。
ここまで自分が学んだ事の成果発表になってしまいましたが、お付き合いいただき本当にありがとうございます。最後に恒例の感謝タイムで私の日記リレーを締めくくろうと思います。書き始めたら感謝する人多くて長くなりました。ごめんなさい。
まずは同期スタッフのみんな
こんなにもみんなが何かに熱中している代はあったのでしょうか。それくらい、みんなの頑張りがカッコ良くて、本当にどれも私にはできないことばかりで尊敬で溢れています。みんなが違う方向に走っているからこそ、学年が上がるごとに何だか疎遠になっていくような気がしていましたが、ゴールは全員日本一。日本一を取ったら、またみんなと備品置き場掃除をしたいと書きかけましたが、やっぱり部室掃除くらいにしましょう。四年間本当にありがとう。そして最後まで共に駆け抜けよう。
同期のみんな
塾高組とかディボアーセとか、分別されがちな学年ですが、みんなまとめて最高の代だと思います。男子ラクロス部に入っていないと、こんなに素敵な人たちに出会えなかったのかと思うと、震えますね。はいはい、お世辞はほどほどにして…とにかく、本当にみんなに出会えて良かったです。宝物のような日々をありがとう。
一見スカしているように見える人ばかりで、意見がぶつかることも多かったけれど、時には涙を流しながらも、直向きにラクロスに一生懸命になる姿をたくさん見てきました。もちろんラクロスだけじゃなくて、後輩に愛されていたり、何を話しても面白かったり、モテモテだったり。個性と強みに溢れていますね。そんなみんなと一緒に日本一の景色を見たいです。あと、学年飲みはまだ一回しか開催されていないので、全日の後、絶対にもう一回はやりましょう。石村、よろしく。
MG組織のみんなへ
まずは本当に申し訳ない。私一人の野心で、マネージャーのオンの回数を減らしてもらい、みんなにはたくさん苦労させただろうなと思っています。割り振りが足りないというLINEが流れてくるたびに、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。実は勝手な判断をして嫌われたのではないかと思い、後輩に自分から話しかけるのが怖い時期もありました。でも、そんな私を受け入れ、ここまで一緒に部活をしてくれて本当にありがとう。こんなに慶應ラクロスに一生懸命に向き合っている組織に所属できて幸せでした。みんななら、来年以降も最高のMG組織を作り上げていけると思います。
そして、絵美子と碧菜。本当にありがとう。マーケティング部門の活動の中で、しんどい時に何よりも励みになっていたのは、二人のMGとしての頑張りでした。三年間共に駆け抜け、最後の一年は違う形で日本一を目指すことになったけど、そんな私を受け入れてくれてありがとう。二人がフィールドで声を張り上げている姿、私が一番最初にカメラに収めるね。
マーケティング部門のみんな
みんなは初代メンバーです。なんかカッコいいよね。この一年、不甲斐ないリーダーについて来てくれてありがとう。どのチームのメンバーも一つ一つの課題に本気で向き合い、思考をやめない姿が素敵でした。
特に一緒に作り上げてきた浜地、陽世、彩織、みなと。浜地と陽世は選手としてリーグ戦の舞台で活躍しながらも、あれもこれもやろうと言い出す私に付き合って、マーケの活動も頑張っていて本当に尊敬しています。彩織は、グッズのことはもちろんなんでも話せる仲で、最後の一年一緒に初期メンバーとして頑張れたことが幸せでした。最後にみなと。多分部員の中で一番LINEしたし、一番怒ったし、一番時間を共にしました。専任として二人三脚で作り上げる後輩がみなとで本当に良かったです。少し自分に自信がないし、何回言っても同じミスはするけど、広報オタクの私と同じ熱量を持って、どんどん吸収して成長していく姿が頼もしかったです。来年はマーケのトップとして、今年学んだことを糧に後輩を引き連れて大きな組織を作り上げていってください。手を抜いているという噂が流れてきたらすぐに電話します。
そして、慶應ラクロスの強さのようにこの組織も未来永劫にしていくには、後輩達に全てがかかっています。「やってもやらなくてもいいこと」と捉えるのではなく、「やらなければならないこと」と捉え、この慶應ラクロスの根幹となる組織へと成長させてください。
あ、あと凜大。凜大のお陰でこの組織は成り立ち、ここまで大きなものになりました。君はカリスマです。発足の時、私に話を振ってくれてありがとう。散々相談に乗ってもらいました。あと1ヶ月半、最後まで活動報告グルの不穏なFBよろしくね。
広報の先輩方
広報に出会えたのは間違いなく先輩方のお陰です。たくさん成長させてくださって、本当にありがとうございました。憧れが糧となり、広報をここまで大きな組織として創り上げることができました。またいつでもアドバイスや応援コメントをお待ちしています。みなとの就活が忙しくなる前に、ぜひ広報会を開催させてください。
澤本さん、井出さん、関わってくださったOBOGの方々、木口さん、ケビンさん
私の好奇心でこの一年沢山振り回してしまって申し訳ありません…。皆さんからすると、ただの子供が「あれやりたい」「これやりたい」と騒いでいるようにしか見えていなかったのではと反省しています…。そんな中でも、絶対に否定することなく新たな挑戦を支えてくださり、本当にありがとうございました。大人の力をたくさん見せていただきました!笑
これからはOG側として慶應ラクロスに携わる予定(予定です)なので、私もぜひ大人の仲間に入れてください。
家族へ
体育会に入ることを一番に勧めてくれたお父さん。ラクロスのルールを知っているのか分からないけれど、育成リーグの配信まで見て、いつも試合に来てくれるお母さん。中西海目当てか試合目当てかよく分からないけれど応援に来てくれる妹。新入生の名前まで覚えるほど部の動向を細かくチェックしてくれているおばあちゃん。ラクロスに興味があるのか、母校愛なのか分からないけれど、勝ったら賞賛してくれるおじいちゃん。遠方からいつも試合の結果を気にしてくれて、勝ったら「おめでとう」のコメントをくれるおじいちゃんおばあちゃん。
本当に家族みんなに支えられて、ここまでやってこれました。感謝してもしきれません。お父さんの敷くレールの上を走りたくないと大暴れした時もありましたが、本当にラクロス部に入って良かったです。家族のお陰で、この人生に間違った選択は何もありませんでした。ここまで育ててくれてありがとう。これからも百円単位の交通費から脛をかじり続けるつもりですが、徐々に恩返しさせてください。
最後に、お母さんと争えるくらい側で話を聞いてくれた人には、特大の感謝とエールを送ります。変にスカしたりしないで、努力に上限を付けず、スタメンで居続けてください。ちゃんと頑張っていれば絶対に誰かが見てくれているよ。
次は陽世です。
陽世とは、一・二年生の時は広報、四年になってからはマーケティング部門の仲間として一緒に頑張ってきました。彼は最初の頃、私のことを俺の腕と呼び、何かと面倒な仕事を押し付けてきていましたが、残念ながら今では私の腕ですね。とにかく、私の前のめりな姿勢にいつも共感してくれたのは陽世で、同じような考え方をしてくれる人が同期にいて、ありがたかったです。あと、私は大雑把で何となくこんな感じ!で進めるタイプなので、彼のマメすぎる性格にも助けられました。
マーケの発足から頑張ってくれていた陽世ですが、選手としてもずっと試合に出ていて、実はかなり尊敬しています。あ、来年のマーケについてと彼女ができないことについて、みなとが話し合いたがっているので、そろそろ飲みに連れていってあげましょう。
陽世、よろしく!