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日記リレー

【日記リレー2023 VOL.2】「有限と結果」~猪真之介(4年/環境情報学部/DMF/#54/慶應義塾高等学校)~

今年度からCのディフェンスコーチを務めている石黒から回ってきた猪真之介です。石黒はアーセ同期の数少ないロング仲間でした。ショート時代彼に吹き飛ばされていたのは良き思い出であり、僕の青春です。そんな彼は滑舌が悪いらしいのですが、心で通じ合っているので言語が障壁になったことは今までで一度もありません。

僕は先輩たちの日記リレーを読むのが楽しみで仕方なかったです。でも自分で書こうとすると何を書けば良いのかわからない現状に絶望しました。よく考えれば普段人と話す時は自分語りしかしないのにこういう時に限って何を語れば良いかわからなくて非常に悔しいです。そんな悔しい気持ちをバネに日記リレーを書いていきます。あと最近趣味で勉強している量子力学の例え多めでお送りします。それでは少々お時間頂戴します。よろしくお願いします。

「有限」
世界にあるほぼ全てのものは有限です。資源もお金もモチベーションも個人に与えられた時間も。でもこのことを意識しながら生きている人なんてほとんどいないと思います。何事も気づけば終わっていたり、なくなっていたりします。ワンピースのドレスローザ編も一生終わらないと思っていたけど急に最終章に入っていたりします。そういうことです。失ってから気づくことがあるとよく人は言います。でも失う前に気づくのが一番良いに決まってます。そのためには終わりを意識し続けるべきだと思います。終わりを意識することでぼんやりしていたことが急に引き締まってはっきり見え出すことがあります。まるで二重スリット実験で光の粒子が観測されていない時は波のような動きをしていたけど観測された途端に粒としての動きに変わるみたいな感じですね、多分。部活に応用すると、一生続くような日吉練とか東戸塚練も僕は残り100回もありません。まだ7月なのに。なんならもっと少なくなる可能性もあります。そう考えると一回の試合、一回の練習、一個のメニュー、そしてプレーの一つ一つもベストを尽くしたいと思えます。めちゃくちゃだるい絡みをしてくる生意気な後輩達に口を利いてやっても良いかなとも思えます。失礼しました、可愛い後輩達と絡みたいと思えます。要は終わりの認識です。

「結果」
突然ですが、結果がどうなるか分からない時自分の思い通りにならないことってありますよね。例えば欲しいスニーカーの抽選に外れた時、就活の面接で落ちた時、イヤホンのケースを開けてみたらイヤホンが入っていなかった時、単位が来るかどうかの瀬戸際の授業の単位を落とした時、高速でギリギリ前の車にぶつかってしまった時。これらは「不運」の二文字で片付けることができます。しかし100%運かと言われたらそうでもない気がしませんか?ブルーロックというサッカー漫画で鳥のフンが自分に落ちてきた時それは100%の運で自分に落ちて来たわけではないと言っているのを見て気づきを得ました。ちなみにブルーロックはアニメでしか見ていないです、ごめんなさい。しかも例えが汚くてごめんなさい。落石に置き換えて説明します。自分に落石が当たったとします。でも周りを見渡すと、上には崖があり、下にはゴツゴツした岩がたくさん落ちており、尚且つ近くには落石注意の看板があります。これでもまだ落石に当たったことを運で片付けることはできますか?これらの要素を加味してその道を通らないという選択肢を取ることもできたのではないでしょうか。100%運かのように思えるスニーカーの抽選ですら、実は運営としては新規のお客さんを増やしたいという思惑があり、初めて抽選に参加した人を多めに選んでいるかもしれません。知らんけど。要は運だけではないということです。
次に結果に繋がる要素について書きます。自分が打ったシュートが決まるかどうかっていつ決まると思いますか?ネットを揺らした瞬間?ゴーリーが反応した瞬間?反応する瞬間?リリースの瞬間?クレードルしている瞬間?ボールをキャッチした瞬間?ポジションニングをとった瞬間?わかりませんよね。完全にシュレディンガーの猫です、多分。でも結果がいつ決まるかわからないからこそ、全てのタイミングでベストを尽くす必要があると思います。量子力学においてスーパーポジションという概念が存在します。それは量子の振る舞いを計算する際に2つ以上の状態が同時に存在するとして計算するみたいな概念です。これを先ほどの例に当てはめると、シュートを打つ前から打ち終わった後まで常にゴールが決まる状態と決まらない状態を行き来しており、いろいろな要素がそれぞれの状態の度合いの大きさに影響を及ぼしているみたいな考えです。これらの要素にはショットのスピード、シュートコース、ヘッドの種類、クロスの編み方、自信、ゴーリーのスカウティング、体調、前日の睡眠時間、どんなパフォーマンスしようかなーって悩む時間まで全て含まれています。そう思うと自分の努力って足りないと思えてきますよね。八星さんも原動力は「今している努力は常にいつもちょっと足りないと思うこと」と日記リレーに書かれていました。八星さんが言うなら間違いないです。偉大な先輩達がみんな考えてラクロスしろって言っていたのはこういうことだったと今ではわかります。もちろんこのメンタリティはラクロスに限ったことではなく、人生における全てのことに対しても応用できます。要はスーパーポジションです。

偉そうに自分の気づきを延々と書いてきましたが、自分はまだまだ中のまだまだです。ラストシーズンにも関わらず、度重なる怪我で一丁前に落ち込んでいました。情けないです。でもこの日記リレーを書くことによって改めて自分に必要なメンタリティを思い出すことができたような気がします。また、怪我をしてからリハビリに真剣に取り組むことができたのは紛れもなくトレーナー陣のおかげです。おかげでプランクは1分間ぷるぷるせずに耐えられるようになりました、いつもありがとうございます。

日本一に貢献するために走り続けるのでこれからも応援よろしくお願いします。

最後にこの場を借りてお世話になった先輩達、同期、他校の友達、監督陣、社会人コーチ陣、スタッフ陣、広報のみんな、その他関係者の皆様に感謝を申し上げます。

そして家族へ
今までの人生で成し遂げたことは例外なく全て家族、特に両親のおかげです。いつもありがとう。

これにて日記リレーを終了したいと思います。

次はおえおうすけこと牛山です。とんでもない逸話を数多く持っているにも関わらず椎名にしか打ち明けないのはなぜでしょうか。もっとオープンに語ってほしいものです。今年度からトレーナーとして部に残留している彼の文章に期待です。よろしく!

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