【日記リレー4年母良田迅】
ついこの間まで下のチームで一緒にプレーしてた気がするのに、今では主力DMFとして試合で活躍しているジョンソンからバトンを受けました、4年ATの母良田です。彼はきっと相当な努力をしたのでしょう、本当にすごいと思います。
後輩、特に試合に出れていない人たちに伝えたいことを書きます。
慶應ラクロスは日本ラクロス界のパイオニアで、実力面でも常に日本をリードし続けてきた。
必然的に毎年上手い選手がいて、その活躍によってこれまでの歴史がある。
今の皆が知っている人だと、剛志さんとか裕太さんは当時からラクロス界の超有名人だったし、皆の記憶にもしっかり残っていると思う。
でも、慶應ラクロスにはこんな人たちもいた。
僕が入学して1年目、当時リハに入った時に、直哉さんという先輩に会った。
直哉さんは元アーセキャプテンでプレイヤーとして上手かったけど、全十字を切ってリハビリをしていた。全大まで行ったら出れるかもしれないと、復帰するために本当に懸命に努力していた。しかし、チームは関東Finalで負け、思いは叶わなかった。直哉さんが最後までチームを激励する姿、試合後に嗚咽する姿を、僕は今も忘れることができない。
それでも、努力家で人望がある直哉さんの姿勢から後輩の僕らはたくさんのことを学ぶことができた。
もう一人。
今年の日記リレーで何回か、去年のBチームの話が出てきた。一年生は知らないと思うけど、そのコーチの中の一人に田村睦っていうやつがいた。
睦も同じく全十字を切って、復帰を目指していたがチームのためを思って4年生が始まると同時にコーチになってくれた。そして持ち前のアツさ、思考力を生かして日本一のBチームを作るとともに、クリアライドとかの戦術面でもAのプレーに関与して、チームのために全てを尽くしていた。
一回も直接言ったことはないけど、睦のことはすごく尊敬してる。
この二人のことを知っている他大の人は一人もいないだろう。ましてや、慶應の中でも代が被ってない人はほとんど知らないかもしれない。
それでも慶應ラクロスに大きく貢献していた。その事実は揺るぎないものであり、この人たちのおかげでそのシーズンがあったと言っても過言ではない。
慶應ラクロスは上手いプレイヤーだけでなく、こういう人たちの力もあって成り立っていることを忘れないでほしい。
もう一つ、書いておきたい話がある。
僕が一年生の時、優さんという先輩がいて、すごく良くしてもらった。
リーグ戦が始まって、ある1部下位のチームとの試合を前に、次の試合は余裕ですね!と僕が言ったことがある。
すると優さんは苦笑いしながら、「簡単な試合なんて一つもねえよ」と言った。
数日後、その試合に19-4くらいで勝った。
なんだよ、やっぱ楽勝だったじゃん、と僕は思った。
それから一年後、とある同期がリーグ戦のベンチ入りを果たした。またしても一部下位チームとの対戦だったが、彼が持っていたスカウティング資料を見て驚愕した。想像していたものの5倍くらい量があり、事細かに各選手の詳細が書かれていた。さらに、毎日2,3時間ミーティングをしてるというではないか。
その時、やっと去年優さんが言っていたことが分かった。
と同時に、自分の甘さを痛感した。
自分たちの代になったら、なんだかんだいけるだろう、なんて思ってる人はいませんか?
そんな昔の僕みたいな後輩がいたら、今すぐその考えを捨ててください。
慶應ラクロスは強い。今までもそうだったし、これからもそうでなければいけない。
しかし、それはただラクロスが上手くなればいいわけではない。
今までの先輩たちは上手かったから勝ってただけでなく、スカウティングとか日々の練習とかでも妥協しなかったからこそ、勝ってこれたのです。
もしかしたらスカウティングなんてしなくてもその試合には勝てたかもしれない。でもそこでスカウティングをしないようなチームはきっとその後負ける。
勝って当たり前?そうかもしれない。
けど、そう思わないようにすることが、勝つための最大の要素だと僕は思う。
僕がこの日記リレーで伝えたいことは、
こういう人たち、姿勢があってこそ、今までの強い慶應の歴史があるということです。
皆にとっての当たり前は、当たり前じゃないかもしれません。
日本一になることがどれだけ大変なことか、その中で自分はどんなことができるか、
これからの強い慶應を作る君たちは、ぜひ参考にしてください。
本当に長くなってしまいました、ごめんなさい。ここらへんでバトンを渡します。なんでよりによってこの人に渡さないといけないんでしょうか。みく、お願いします。
みくは日本一になりたすぎて、何もないところで急に泣き始めたりします。もはや意味がわかりません。
でも、日本一のために全てを犠牲にしている姿は本当に尊敬できるし、特に4年生はみんなめちゃくちゃ感謝してると思います。
じゃ、よろしく。